ペットと暮らす家の間取りや工夫の紹介!犬や猫の特徴を理解して考える家づくり
ペットは家族を一員です。新しく家をつくるときには、「ペットと暮らす家」としてしっかり検討したいものです。
小さなかわいい家族の一員も一緒に快適に暮らせる家はどのようにすればつくれるのでしょうか。
人間にとっては望ましいものも、ペットにとっては心地よくない・危険だ、ということがあります。
人間とペットの違いをご説明したうえで、お互いに気持ちよく生活する家のヒントをお伝えしますので、よりよい「ペットと暮らす家」つくりにお役立てくださいね♬
ペットと暮らす家の間取りと工夫
ペットと一緒に生活をするために、家の間取りはどのように工夫をしたら良いのか、愛犬・愛猫のために頭を悩ませているご家族も多いでしょう。
人間ならば、靴下を履いたり、スリッパを履いたりして、足の裏を保護することができますが、ペットはそういきません。
特に足の裏の肉球はとてもデリケートです。人間とは違ったペットだからこその問題を考える必要があるといえます。
階段は緩やかにつくる
ペットの身体に負担をかけないためにも、一緒に生活をする住宅では、階段を緩やかに設置すると良いでしょう。
そうすることで、ペットたちのやわらかい肉球にも負担がかからず、飛び降りたときの足腰への衝撃も最小限に抑えることができるのです。
段数が増えてしまうことを懸念されるかもしれませんが、安全を考えるとペットばかりでなく、人間にとっても大きなメリットがあることです。
例えば、妊娠中であったり、高齢になって足腰が思うように動かなくなったときであったりしても、階段が緩やかな方が、上り下りがしやすいですし、より安全にもなります。
足がすべる・肉球が傷つく床材を避ける
ペットの身体に負担をかけないためにも、ペットに優しいフローリングにすることが大切です。
例えば、メインとなるペットの生活スペースには、コルク材を使用したり、ペット用のコーティングをしたりするのです。
一般的なフローリングでは、掃除をした後にワックスでもかけたら、ペットが滑ってしまいケガの原因となってしまいかねません。
ペットのためにも、ある程度グリップ感がある床面にしましょう。
ペットと暮らす家には、安全のための工夫も必要
ペットと生活を共にしていると、様々な危険が想定できます。
玄関のドアを開けたらペットが出て行ってしまう、料理をしているのにペットがキッチンに入ってきてまとわりついてくるなど、いくらでも危険の可能性をあげることができるでしょう。
日常生活では、どうしたらペットがドアを開けても出ていかないのか、どうすれば料理をしているときにキッチンに入って来ないかということを、
家族みんなで目を離すことなく、また部屋にも工夫をするべきだと言えます。
ペットフェンスの設置
玄関やキッチンなど、「飛び出るのが困る」「ペットには危険な食材がある」「刃物や火気に触れるのが怖い」という場合は、ペットフェンスを設置し、
ここは出入り禁止であることを分かるようにします。
特に階段の往来で腰を痛めがちな犬の場合、さらに階段入口部分にもペットフェンスをつけるのも良いでしょう。
浴室のドアは必ず閉める
浴槽にお湯が張ってあるときに、ペットが誤って落ちて溺死してしまったというケースが報告されています。
また、ボディーソープやシャンプー・リンスを誤飲してしまい、動物病院へ搬送されることも珍しくはありません。
そのため、家族は徹底して浴室のドアを閉めるようにしましょう。もしも、洗濯のために残り湯をためているのなら、浴槽のふたも忘れずにしてください。
家族みんなが二重に気を付けることで、ペットを浴槽の危険から守ることができます。
バルコニーの隙間からの落下を防止する
バルコニーの目隠し板に隙間があるという住宅も少なくありません。ですが、わずかな隙間であってもペットが落下する危険性があるのです
隙間があるのならそのままにはせず、パネル式のベランダ用目隠し、木製や樹脂製のラティスで隙間をなくし、危険性をなくすようにしましょう。
ペットが食べてはいけない植物は植えない
マイホームのガーデニングに凝っているという家庭も多いでしょう。
開放的なお庭があれば、ペットも元気よく駆け回ることができるので、健康にもつながると考えているかもしれません。
ですが、植える植物に気を払う必要があります。身近な植物でも、ペットが口にしてしまうと危険なものがあるのです。
サトイモ科の植物である、スパティフィラムやカラーは、ペットがかじっただけでも、口内炎や皮膚炎を起こしてしまいます。
また、チューリップや水仙、ポインセチア、ジャスミン、スズラン、クロッカス、シクラメンなども、ペットにとっては危険な植物になります。
ガーデニングをするときは、ペットも安心して駆け回ることができるよう、植物には気を付けるようにしましょう。
ペットにも部屋とプライバシー空間が必要
人間の家族とともに生活をしているペットたちは、基本的に人間が好きなものです。
大好きな家族と一緒にいたい、一緒にいたら甘やかしてもらいたいと思っています。
とはいうものの、ペットにもプライバシーがあります。眠るとき・排泄するとき・雷などに怯えたとき、ペットは自室でひとりになりたいと思うのです。
エサや飲み水置き場は人の動線から少しずらす
ペットのためにエサや飲み水を用意しますが、その置き場所は家族たち人間の動線からずらした方が良いでしょう。
これは、家族の為でもあるのです。食事をしているときに、小さな子どもが手を出してしまったら、エサに興奮しているペットにケガを負わされてしまうこともあるのです。
考えられる限りのアクシデントを防ぐために、ペットのお部屋ともいえるスペースを作ってあげましょう。壁際を選ぶのがポイントです。
ここに、コの字型ないしはL字型の空間を作り、「安心してエサを食べられる場所」を用意してあげるのです。
また、そこに家族からの視覚を遮るように収納を設置して、「エサやペット用品を納める場所」にすると良いでしょう。
ペット用トイレスペースの工夫
ペットのためにトイレスペースを確保するなら、できるだけ家族から見えないような場所に設置することが大切です。そうすることで、ペットは安心して排泄することができるのです。
奥まった場所を選んで、そこに接している壁や床に防水加工を施せば、ペットにとっても家族にとっても快適な空間になるはずです。
充分な換気・空調管理
1日中ペットと共に家にいられれば問題はないことですが、どうしても仕事や買い物などで家を空けてしまうことはあります。
締め切った空間では、ハウスダストやダニなどの繁殖が起こりやすい状態にありますので、換気が充分に行われている状態かを確認します。
これから「ペットと暮らす家」をつくろうとなさっている場合、あまり神経質に考えなくても大丈夫です。建築基準法で24時間換気が義務付けられているからです。
とはいえ、真夏・真冬は犬や猫のために冷暖房を使用することもあるでしょう。
パッシブデザイン(太陽光のあたたかさを取り込む/暑さを外に逃がすという自然エネルギーを利用する家の建て方)の考え方を取り入れれば、光熱費の低減につながります。
犬と住む家づくりと間取りの工夫
ペットを飼っているご家庭でも、特に犬を飼っているということが多いのではないでしょうか。犬を飼う場合は、適度に運動をさせてあげなければなりません。
そのためには外へ出ていく必要があるといえます。ここでは、犬ならではの工夫ポイントについて説明します。
散歩後に犬の足を洗う場所をつくる
散歩から帰ってきたとき足を洗うための蛇口を、ペットの出入口となりそうな玄関ないしはリビングの窓、勝手口のいずれかのそばに設けておけば慌てなくて済みます。
おすすめは、リビングの窓のそばです。庭を犬が自由に走り回れる「ドッグラン」のようにしてあげたい、とお考えの方も多いはずです。
庭で遊ばせた後、そこで足を洗えればとても便利でしょう。
また、蛇口の下にほんの10㎝ほどの高さの枠を作って水を溜めておけば、自由に水を飲むこともできますし、暑がりの犬種には夏のプール代わりにもなり安心です。
ヒノキチップを活用
犬の死因で大きな割合を占めるのがフィラリアです。蚊に刺されることで発症します。
対策として、ヒノキチップを活用することをおすすめです。ヒノキやヒバにはヒノキチオールという防虫効果のある成分が含まれている他、消臭効果も期待できるのです。
猫と住む家づくりと間取りの工夫
猫の行動範囲は半径500m以内だといわれています。この500mの範囲内で、飼い猫であっても他の猫や人と接触することもあります。
他の猫から病気を移されたり、人にいたずらをされたりすることもあるかもしれません。そのため、できることなら愛猫が家庭の中で生活ができるよう、快適な家づくりをしたいものです。
キャットタワーやキャットウォークを造る
猫は縦横の立体的な動きを好みます。いわゆる「キャットタワー」を設置する、家中もどこかしらに縦横の移動ができる部分をつくるなどの工夫が必要です。
段違いの棚を作りつける方法はとても有効です。また、吹き抜け上部の窓際などに猫が自由にお散歩できるキャットウォークを造ってみるのも良いでしょう。
キャットウォークはさほど幅が必要ではありませんので、家の中のあちらこちらに作ってみると猫も屋内の暮らしを楽しめるはずです。
猫が「自分の場所」を確保できるように
時に”集会”を行う猫ですが、基本的には単独行動を好むのが猫の特徴です。
これを考えると、複数の猫を飼っている場合、1匹1匹が「自分の場所」と感じられるスペースをそれぞれにつくるのが理想的です。
特に、飼ってみたら相性が悪かった、先に飼っている猫がいるがもう1匹飼うことにした、というときには「猫の自分のスペース」は重要な問題となります。
相手がいやなら離れていけば良いわけですが、スペースが足りなければそれもままなりません。
集まりたいときに集まって、飽きたら自分のテリトリーへ戻る…この猫の性質を考えると、スペースの数も気にしたいところです。
猫の爪とぎ習性に対処する
猫を飼っていると、どうしても壁で爪とぎをしてしまうことに頭を悩ませていることでしょう。これは猫にとっては縄張りをアピールするためのものなのです。
猫の習性である以上、そう簡単には直すことができません。そのため、家族たちが対策をする方が得策です。
猫が爪をとぐところを、麻縄で巻いて保護したり、麻縄パネルで覆ったりすることで、本来持っている習性を我慢させる必要もありませんし、大切な家も守ることができます。
まとめ ペットと暮らす家のつくり方
ペットと一緒に暮らす家族の家は、飼っている動物の種類によっても、気を付けなければならないことが違ってきます。
ペットが安心・安全に暮らすことができるのはもちろんのこと、どうすればより楽しく過ごすことができるのかも考えてあげたいところです。