浄水器付き水栓の種類やメリット・デメリット
浄水器などを設置して、水道水以外の水を飲んでいる方は多いですが、
浄水器付き水栓だと使い勝手が良くスペースも取らないのでおすすめです。
今回は、浄水器付き水栓の種類やメリット・デメリットを解説します。
水栓レバーの操作だけでおいしい水が飲めるのは、思っている以上に快適ですよ。
浄水器付き水栓ってどんなもの?
「浄水器付き水栓」は、上水と水道水が出る水栓のことです。
「浄水器付き水栓」はメーカーによって呼び方が異なり、下記のような名称で呼ばれている場合もあります。
・「ビルトイン浄水器」
・「アンダーシンク型浄水器」
・「水栓一体型浄水器」
・「浄水器一体水栓」
1.浄水器付き水栓の設置工事
浄水器付き水栓はキッチンのシンクに設置しますが、設置工事の有無で種類を分けると下記の通りです。
・現状の水栓交換だけで設置ができる「混合水栓」
・シンクへの穴あけ設置工事が必要な「浄水器専用水栓」
さらにそれぞれの種類には、「ビルトイン型」「アンダーシンク型」「浄水器一体型」の3つの型があります。
水栓の種類 | 形態 | 工事 |
「混合水栓」 ・ビルトイン型・アンダーシンク型・浄水器一体型 |
1つの蛇口から水道水と浄水が出る (シンク穴は1つ、現状の水栓の穴を利用できる) |
不要 (賃貸物件でも設置可能) |
「浄水器専用水栓」 ・ビルトイン型・アンダーシンク型・浄水器一体型 |
水道水の蛇口と浄水器の蛇口の2つ (シンク穴は1つ、 現状の水栓の穴と別に穴あけ必要) |
必要 |
賃貸住宅にお住まいの方は、蛇口直結型の浄水器もおすすめです。
2.有害物の除去レベル
浄水器は基本的にJIS規格の試験で、除去物質を80%以上取り除いていることが定められているため、どのメーカーも一定水準以上のレベルで有害物の除去ができます。
浄水器を取り扱っているメーカーと除去方法や除去内容についての一例です。
メーカー | 除去方法や除去内容 |
Panasonic |
・遊離残留塩素(カルキ)・濁りの除去 ・農薬・鉛やカビ臭を除去 ・鉄・アルミニウムも除去 |
LIXIL |
。天然素材のセラミックのフィルターでろ過 ・活性炭で有害物質を吸着 |
タカギ |
・活性炭・イオン交換体・不織布・中空糸膜(ポリスルホン)で除去 ・0.1ミクロン単位の無数の孔で 濁り・鉄さび・一般細菌・大腸菌などをしっかりキャッチ |
TOTO |
・活性炭・不織布・中空糸膜で除去 ・遊離残留塩素(カルキ)や総トリハロメタン・溶解性鉛・農薬も除去 |
浄水器付き水栓って必要?
日本の水道水は飲用しても問題がないほど安全で、世界トップクラスの品質を保っています。
ですが、おいしく飲めるかというと別問題です。
水道水は殺菌のために塩素を使用しているので、カルキ臭がします。
水道水をそのまま飲んでもおいしい地域もありますが、大都市ではまず水道水はカルキ臭が強くて飲めません。
また、集合住宅や築年数が経過した住宅では、水道管が古くなったり貯水槽のメンテナンスによっては衛生面に問題があることも多いため、
水道水より浄水の方が安心して飲むことができます。
浄水器付き水栓が必要かどうかはお住まいの地域によって異なりますが、
大都市ではほとんどのご家庭で水道水以外の飲料水を取り入れているのが現状です。
浄水器付き水栓のメリット
浄水器付き水栓のメリットは主に下記の4点です。
1.見た目がスッキリする
浄水器付き水栓はキッチンのシンク下に設置するので水栓だけの状態になり、見た目がとてもスッキリします。
ポットに水道水を入れて浄水する「ポット型」浄水器や、浄水器本体をキッチンに設置する「据え置きタイプ」だと、
キッチンの作業スペースが狭くなったり、冷蔵庫に収納するスペースも必要になります。
ウォーターサーバーも人気ですが、設置場所が必要になります。
2.レバー操作で簡単に浄水が使える
浄水器付き水栓は、水栓レバーを操作するだけで簡単に浄水された水が利用できます。
お鍋に浄水を入れて調理をしながら洗い物は水道水で行うという使い方が、キッチンのシンク前から移動せずに行えるので家事効率が上がります。
3.水の購入の手間が省けてゴミが出ない
飲料水としてミネラルウォーターを購入しているご家庭も多いですね。
人間は1日に約1.5リットルの水を補給する必要があります。
4人家族の場合1日6リットルの飲料水が必要になるので、2リットル入りのペットボトルの水だと毎日3本、1週間で21本は最低でも必要になる計算です。
これは、飲むためだけの水の量です。お料理に使う場合は、もっと多く必要になります。
今はネット通販で飲料水も購入できますが、ストックする場所がなければ頻繁に注文をする手間がかかります。
スーパーなどに買いに行くのは、さらに重くて大変です。
浄水器付き水栓なら定期的にカートリッジを交換するだけなので、毎日毎週ペットボトルを買いに行かなくても水栓レバーの操作だけで浄水が使えます。
ペットボトルなどのゴミも出ず環境保護にも貢献できます。
4.1リットルあたりの費用が安い
ウォーターサーバー、ペットボトルのミネラルウォーター、
浄水器付き水栓の1リットルあたりの費用を比較してみました。
浄水の種類 | 1リットルあたりの費用目安 |
ウォーターサーバー | 約83円~166円 |
ペットボトルのミネラルウォーター | 約50円 |
浄水器付き水栓タイプ | 約2円 |
ウォーターサーバーやペットボトルのミネラルウォーターは天然水であるほど費用が高くなりますが、味にもこだわりのある方にはその価値があります。
毎日飲んだり料理に使う水ですので、1年間のトータルコストを考えてご家庭にあった種類の飲料水を取り入れるといいですね。
浄水器付き水栓のデメリット
浄水器付き水栓のデメリットは主に下記の4点です。
1.設置工事が必要
浄水器付き水栓はシンクの下に本体を設置し、水栓部分のみシンクの上に出るような設置工事が必要になります。
ほとんどの場合で後付けも可能です。
現状の水栓交換であれば費用は安いですし、賃貸住宅でも設置可能です。
浄水と水道水を別々に出すタイプだとシンクに穴を開ける工事が必要になり、その分費用が上がります。
・設置工事費用目安:約1.2万円~1.6万円
2.カートリッジ交換が必要
浄水器付き水栓は、専用カートリッジを使うことで毎日浄水されたお水を使うことができます。
水栓の種類 | 特徴 | カートリッジ交換 |
混合水栓 |
シンク下にカートリッジを設置 除去物質対象の13物質除去 |
年に1回 |
浄水器専用水栓 |
吐水口の首部分にカートリッジが内蔵 除去物質対象の5物質~12物質除去 |
約4ヶ月に1回 |
メーカーや使用料によって交換時期は異なりますが、一般的なビルトイン浄水器は1年に1度のカートリッジ交換です。
カートリッジ交換と同時にメンテナンスもしてもらうと、約13,000円ほどです。
※マンション全体の購入割引適用の場合
ご自身で交換される場合はもう少し安くなりますが、年に1度の1万円以上の出費は高い気がしてきて、交換を先延ばしにしてしまう可能性もあります。
月に1,000円ちょっとの計算なので、衛生的に美味しい水を飲むためにも適切にカートリッジ交換を行いましょう。
浄水器付き水栓の種類やメリット・デメリットまとめ
今回は、浄水器付き水栓の種類やメリット・デメリットについて解説しました。
メーカーによって呼び方が異なるので「浄水器付き水栓」ってどれのことを言うのか分からなかった方にも
イメージがしやすくなったのではないでしょうか。
お住まいの地域によっては水道水をそのまま飲んでもおいしい場合もありますが、
築年数が経過すると水道管の中にサビが発生したり不純物が混ざってしまうこともありますので、
衛生面のためにも浄水器付き水栓をご検討してみてくださいね。