住宅ローン控除(減税)を利用しよう!
注文住宅の新築をお考え中のみなさん、その資金計画で頭を悩ませていませんか?
多くの方は住宅ローンを組んで資金調達をされると思いますが、みなさんは「住宅ローン控除」という制度をご存知ですか?
この制度を利用すると、通常よりお得に住宅ローンを組むことが可能になります♪
住宅ローン控除(住宅ローン減税)とは
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、個人が住宅ローン等を利用して、新築、取得又は増改築等をし、一定の要件を満たすときにおいて、
その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除するものです。(所得税からは控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されます。)
つまり、毎年支払っている所得税や住民税から住宅ローンの一定割合を差し引かれるという事なのですが、
実際には一度税金を支払い、申請手続きをしてお金が戻ってくるという仕組みになっています。
控除の適用要件
住宅ローン控除を受けるためには、次の要件を満たさなければいけません。
新築 | ①住宅取得から6ヶ月以内に居住している
②家屋の登記簿床面積が50㎡以上である ③床面積の2分の1が居住用である ④合計所得が3,000万円以下である ⑤住宅ローンの借入先は原則として金融機関である ⑥ローンの返済期間が10年以上である |
中古 | ①~⑥に加えて
⑦建築後に使用されたことがある ⑧建築から取得までの期間が20年(マンションなどの耐火構造物は25年)以内である ⑨その他(ここでは割愛) |
増改築 | ①、③~⑥に加えて
⑩自己所有かつ自己居住家屋である ⑪増改築等をした後の家屋の登記簿床面積が50㎡以上である ⑫増改築等の工事費用が100万円を超えるものである ⑬自己居住の用に供される部分の工事費用が増改築等の工事費用の総額の2分の1以上である ⑭その他(ここでは割愛) |
土地 | 原則として土地を取得するためのローンは適用外 (ただし建物の新築にかかるローンがある場合には適用可) |
控除期間と控除額の計算方法
※居住の用に供した年:令和元年10月1日~令和2年12月31日
控除期間:13年
各年の控除額の計算
(控除限度額)
『住宅の取得等が特別特定取得に該当する場合』
【1~10年目】年末残高等×1%(40万円)
【11~13年目】 次のいずれか少ない額が控除限度額
①年末残高等〔上限4,000万円〕×1%
②(住宅取得等対価の額-消費税額)〔上限4,000万円〕×2%÷3
※「住宅取得等対価の額」は、補助金及び住宅取得等資金の贈与の額を控除しないこととした金額を指します。
控除期間:10年
各年の控除額の計算
『住宅の取得等が特別特定取得に該当しない場合』
1~10年目 年末残高等×1% (40万円)
※住宅の取得等が特定取得以外の場合は20万円
※居住の用に供した年:令和3年1月1日~令和3年12月31日
控除期間:10年
各年の控除額の計算
1~10年目 年末残高等×1% (40万円)
※住宅の取得等が特定取得以外の場合は20万円
特別特定取得
ここでいう「特別特定取得」とは、住宅の取得等に係る対価の額又は費用の額に含まれる消費税額等相当額が、
消費税及び地方消費税の税率引上げ後の10%の税率で課されるべき消費税等である場合の住宅の取得等をいいます。
住宅ローン減税(住宅ローン控除)制度を利用するための必要書類と手順
では控除を受けるためには、どのような書類が必要でどんな手順なのか簡単に説明していきましょう。
制度利用の手続きは、適用を受けようとする最初の年と2年目以降で異なります。最初の年は、確定申告を行う必要があります。
確定申告書に必要事項を記載し、書類を添付して税務署(原則として住所を管轄している税務署)に提出します。
一方、2年目以降は、必ずしも確定申告を行う必要はなく、年末調整で済ませることも可能です。主な必要書類は次の通りです。
♢最初の年♢
- 住民票(市区役所もしくは町村役場で入手)
- 確定申告書(国税庁ウェブサイトで入手)
- 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(金融機関から送付)
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書(国税庁ウェブサイトで入手)
- 登記事項証明書(法務局で入手)
- 契約書
- 源泉徴収票(給与所得者の場合に勤務先から支給)
♢2年目以降♢
- 年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書、給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書(税務署から送付)
- 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(金融機関から送付)
住宅ローン控除(住宅ローン減税)と一緒に知っておきたい制度
住宅を取得したい人の負担を軽減する効果がある制度は、住宅ローン減税(控除)だけではありません。
住宅ローン減税(控除)と一緒に知っておきたい制度をいくつかピックアップしておきます。
♢住まい給付金♢
住宅ローン減税(控除)は一定の割合にあたる金額が所得税から控除されますが、「ある程度の所得がある」ということが前提となります。
控除すべき(マイナスすることができる)所得が多くなければ、その恩恵を受けづらくなります。
そこで、すまい給付金でお金を給付することで、より多くの人が負担を軽減できるようにしているのです。
消費税10%で住宅を取得したときの最大給付額は50万円です。
♢住宅取得等資金の贈与を受けた場合の特例♢
平成27年1月1日~令和3年12月31日の間、「住宅を購入する目的で直系尊属(父母や祖父母など)からの資金の贈与を受けた」場合に贈与税が非課税となります。
もっとも、常に贈与額全額が非課税になるわけではなく、住宅を購入した時期やその住宅の種類によって異なります。
例えば、契約締結日が令和2年4月1日~令和3年3月31日における非課税限度額は1,000万円(省エネなどの条件を満たした住宅は1,500万円)となっています。
そして、この非課税の適用を受けるためにはいくつかの要件があります。
- ①贈与を受ける人
- 贈与を行う人の直系卑属(子、孫、ひ孫)であること。
- 20歳(贈与を受けた年の1月1日時点)以上であること。
- 合計所得金額(贈与を受けた年分)が2,000万円以下であること。
- 贈与を受けた翌年3月15日までに自分の名義で住宅を取得し居住すること。
- ②住宅
- 家屋は日本国内にあること。
- 家屋の登記簿上の床面積が50㎡以上240㎡以下で、その家屋の床面積の2分の1以上が贈与を受けた人の居住用であること。
- 中古住宅の場合は、築20年以内(耐火建築物は築25年以内)であること。
最後に
これまでに解説してきた通り、住宅ローン減税(控除)は住宅ローンの残高によって控除される金額に差があります。
内容からして「なるべく住宅ローンで多くの金額を借り入れて、多くの控除を受けた方が良いのでは?」と考えられる方もいます。
しかし、多くの金額を借り入れるということは、それだけ返済の負担も大きくなります。今は余裕があると思っていても、子供の人数や年齢、そして環境などから家計の状況が変化していくこともあるはず。
住宅ローン控除(減税)は、住宅ローンを利用する人にメリットを与える制度ではありますが、将来的な日常生活(ライフプラン)を見据えることも大切です。